2012年11月26日月曜日

中国の貯蓄率は世界一:52%

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●22日、中国の国民貯蓄率は1970年代からこれまで、常に世界でも高い水準を保ち、2005年には51%に達した。世界の平均貯蓄率は19.7%



レコードチャイナ 配信日時:2012年11月26日 6時42分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=66790&type=0

中国の貯蓄率は世界一、いかに消費を刺激するか―中国メディア

 2012年11月22日、国際通貨基金(IMF)が最近発表したデータによると、中国の国民貯蓄率は1970年代からこれまで、常に世界でも高い水準を保ち、
 2005年には51%に達した(世界の平均貯蓄率は19.7%)
 この高い貯蓄率が中国国内の消費不足の原因の1つとされている。
 特に現在、中国は国際的な金融危機と経済構造の調整という2つの大きな課題に直面しており、内需拡大や消費の拡大が経済転換のカギを握るようになっている。
 専門家は貯蓄率を段階的に低下させ、消費者金融の環境を最適化するほか、生活保障の向上に取り組み、国民の消費意欲を刺激する必要性を指摘。
 「そのようにすれば中国は経済低迷からいち早く抜け出し、経済転換を進めることができる」
としている。
 人民日報(海外版)が伝えた。

世界一の貯蓄率52% 

 IMFのデータによると、中国の貯蓄率が国内総生産(GDP)全体に占める割合は90年代初め、35%以上になった。
 また、中国の国民貯蓄残高は09年、18兆元(約234兆円)を突破し、世界でトップの貯蓄率になった。
 国民1人当たりの平均貯蓄額は1万元(約13万円)を超えている。

 中国証券監督管理委員会の郭樹清(グオ・シューチン)主席は、
 「中国経済において、貯蓄と投資の構造はすでにバランスを崩している。
 国家統計局のデータを分析してみると、中国の貯蓄率は52%に達しており、世界でも先例のない高水準」
と警戒する。

 中国社会科学院金融研究所・銀行研究室の曾剛(ズン・ガン)主任は中国の貯蓄率が長期にわたって高水準である原因について、
(1).アジアには倹約の習慣があり、アジア各国の貯蓄率はいずれも西洋諸国より高い
(2).社会保障システムの整備が進んでいない。
 貯蓄の目的は多くが失業や病気など将来の不測の事態に備えるため
(3).消費者金融の発展が遅れている。
 現状では、2、30年かけてお金を貯めなければマイホームを買えない。
 もし消費者金融が発展していれば、貯蓄は必要なく、ローンを利用することができる。
 そうなると、貯蓄率は下がる
(4).中国国内の消費が過小評価されている。
 サービス関係の消費は現在、われわれの統計に含まれておらず、正確な統計を出すのも難しい。
 例えば、借家の家賃も重要な消費の一部だが、今の時点では課税範囲にするのは難しい
―の4点を指摘する。

過度の貯蓄は経済成長の足かせに 

 貯蓄率が高止まりしているのに対し、消費欲は弱まっている。
 中国人民銀行(中央銀行)が11年初めに発表した預金者を対象に実施した調査報告によると、都市部の住民85.8%が貯蓄傾向にあり、消費意識の方が高い住民は14.2%にとどまり、1999年以降で最も低い消費欲となった。

 中国国務院(政府)発展研究センターの呉敬●(ウー・ジンリエン、●は王偏に連)研究員は
 「過度の貯蓄と消費不足というアンバランスな構造が長期間にわたり続いていることは、中国経済成長の足かせになっている。
 GDP成長率が継続して高まるための内在的原動力に欠ける」
と警笛を鳴らした。
 さらに
 「高い貯蓄率は企業の発展にとっても不利」
とし、
 「貯蓄率が高すぎると、消費の不足を招く。
 ある意味、短期的に見ると、いかなる生産も最終的には消費にかかっている。
 投資を増やし、生産能力を高めても、最終的には生産の費用対効果を高めなければならない。
 簡単に言うと、商品を作り、買う人がいて初めて生産を維持できる。
 そのため、貯蓄率が高すぎるのは決して良くない傾向。
 このように消費が不足すると、消費より生産能力の方が高くなり、企業は利益を確保するのが難しくなる」
との見方を示した。

 ただ貯蓄率が低ければ低いほどいいというわけでもない。
 曾主任は
 「貯蓄率が低すぎると、過度の消費を招く恐れがある。
 この種の消費が続くと、見た目だけの繁栄を招きかねない。
 例えば米国は貯蓄率が低いが、消費は自分の能力を超えて借金するほど高い。
 しかし、借金を返済するあてもなく、サブプライムローン問題のような問題が発生する」
と指摘。
 つまり、
 「貯蓄率が高すぎるのも低すぎるのも好ましくない」
ということだ。

貯蓄率を合理的な水準に 

 曾主任は
 「中国は貯蓄率を低下させ、貯蓄が合理的で適度な水準を保てるようにしなければならない」
とし、
 「われわれはいつも米国の基準を参考にするのではなく、中国の国情に合った基準を見つけ、必要な調整を加えなければならない。
 そうすれば、中国の総需要構造はさらに最適化される。
 そのために、われわれは医療や失業救済などの社会保障システムを一層整備し、国民の将来に対する不安を和らげなければならない。
 さらに、消費者ローンを適度に発展させ、消費の環境や消費者金融の環境を最適化させなければならない。
 そのようにして初めて、貯蓄率を下げ、経済構造を最適化できる」
と指摘した。

 一方、スイスに本拠を置くUBS証券(中国)の汪涛(ワン・タオ)チーフエコノミストは、国民の貯蓄率を低下させる以外に、
 「企業や政府の貯蓄率も低下させる必要がある」
と指摘。
 方法として、
▽.エネルギー源やその他の資源、さらに土地や資金などの生産要素価格偏向を低下、是正し、環境保護のための有料化制度を進める
▽.政府が社会保険や医療衛生、教育などの分野の支出を拡大するために、国営企業の株式利益を社会保険基金などに回す
▽.金融機関の発展に努め、中小企業に対するサービスを強化。
 資本市場をさらに発展させ、企業が良い環境で融資を進められるようサポートする
▽.税收や公共財政システムの改革を進め、地方事業の重点を投資や土地転がしから公共サービスに転換する
―の4つを挙げている。
(提供/人民網日本語版・翻訳/KN・編集/TF)


 wikipediaによると、


貯蓄率(ちょちくりつ)とは、貯蓄額を可処分所得で割った比率。
国民経済計算では、国全体の貯蓄が定義され、国民可処分所得で割った国民貯蓄率があるが、通常貯蓄率といった場合には、家計貯蓄率を指すことが多い。

 
 可処分所得とは

労働の対価として得た給与やボーナスなどの個人所得から、支払い義務のある税金や社会保険料などを差し引いた、残りの手取り収入のこと。
 個人が自由に使用できる所得の総額。
 個人の購買力を測る際には、一つの目安とされる。

 この可処分所得から消費費出(生活必需品の購入、公共料金の支払い、レジャー費、教育費など)を差し引いた残りは、家計の「貯蓄」となる。
 そのため可処分所得は「最終的な消費支出と貯蓄を合計したもの」とも言い換えられる。
 そして可処分所得のうち、最終消費支出へと回った額の比率を「消費性向」、家計の貯蓄へと回った比率を「貯蓄性向」という。

 ということは、貯蓄率50%ということは「手取り収入」の半分を貯蓄に回す、ということになる。
 ほんとうだろうか。
 そんなに高い収入を得ているのだろうか。
 もしそうなら、中国は実に豊かな国ということになる。