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NICHIGO PRESS 2012年11月1日
http://nichigopress.jp/ausnews/world/44907/
乗客暴徒化、豪旅客機乗務員襲う
上海空港、警備員制止せず傍観
悪天候のため、上海空港に臨時着陸したジェットスター社のパイロットや客室乗務員を中国人乗客の群衆が取り囲んで壁に押しつけ、カバンをひったくろうとするなどの暴力行為を働いたが、空港職員、移民局職員、税関係官らが傍観するだけで警察を呼ぼうともしなかったことが明らかになった。
事件の間、乗務員は終始冷静を保っていたと報道されている。
オーストラリア人乗客の一人は、群衆の暴力行為を制止しようとして、近くにいた空港職員に警察を呼ぶように頼んだが、自分で呼べと言われたと証言している。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙がオーストラリア人乗客の証言として報道したところによれば、10月26日、メルボルンからシンガポール経由で北京に向かっていた同社のA330-200機にはオーストラリア人、アメリカ人、中国人が乗っていた。
しかし、早朝、北京が濃霧のため、上海の浦東空港に臨時着陸し、航空会社側が善後策を練っている間、乗客は2時間前後飛行機の中に閉じ込められていた。
その間、乗務員が状況を説明し、機内は平穏だったが一旦乗客がターミナルに降りると雰囲気が変わった。
ジェットスター職員が、
①.北京に直行したい、
②.パイロットと乗務員は法で定められた飛行時間に達していたため交代のパイロットと客室乗務員が到着するのを待つ、
③.シンガポールに戻りたい、
の3つの選択肢で乗客をグループ分けした。
ところが、中国人乗客の一部が地上職員にからみ始めた。
目撃した証言者は、地上職員は終始受け身で忍耐強かったと語っている。
時には、150人ほどの中国人乗客が職員一人に怒鳴る状況にもなった。
突然、少数のグループが走り去ったので、後をつけていくと、グループは、カバンをピックアップして歩き去ろうとしたパイロットと客室乗務員を取り囲んだ。
パイロットと客室乗務員は群衆に囲まれて壁に押しつけられた。
群衆は機長を壁に押しつけ、カバンを奪い取ろうとさえした。
機長は、群衆に向かって、「こんなことをしても何にもならない」と説得に努めていた。
目撃者は、
「これだけの騒ぎが起きている間も、空港職員は何もしなかった。
助けようともしなかったし、警察を呼ぼうともしなかった。
乗務員にしてみると怖かっただろうと思うが、機長は終始冷静だった」
と語っている。
オーストラリア国際パイロット組合のリチャード・ウッドワード副議長は、
「こういう事件を憂慮する。
しかし、パイロットや客室乗務員が暴徒化した乗客に襲われたのはこれが初めてではない。
特に機長が暴力を受けた場合には飛行機を飛ばせる人間がいなくなるから、どうあっても避けなければならないことだ。
しかし、パイロットや客室乗務員は、どんな状況でも冷静を保ち、事態を鎮静化するよう訓練を受けている。
口論の柔道の訓練は受けているが、身体的なカンフーの訓練は受けていないから、他の者が助けなければならない。
特に民間航空勤務では他国の法的処置に頼らざるを得ない。
パイロットや乗務員が襲われたがその国が対応を拒否した事件が何度か起きている(ウッドワード氏のコメントの事件は複数、国は定冠詞付きの単数で中国を暗示している)。
しかし、私たちができるのは事後の抗議だけだ。
航空会社に何かできるかどうか分からないが、それは航空会社が考えることだ」
と、問題が深いことを語っている。(NP)
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【国家の品格=ゼロ】
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